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撃たれ続ける黒人男性(障害者施設セラピスト)〜警官が抱える恐怖心

 

撃たれ続ける黒人男性(障害者施設セラピスト)
〜警官が抱える恐怖心

 

 

あなたがニューヨークを一人旅で訪れているとする。何故か人通りの少ない道に迷い込んでしまい、不安になってきた。この時、警官を見掛ければホッとするに違いない。駅までの道を聞けば教えてくれる。あなたは、できればこのまま駅まで一緒に歩いて欲しいと思うに違いない。

 


しかし、地元の黒人男性なら話は違う。自分は独り、NYPDは常にコンビでパトロールするから、あちらは2人。回りに誰もいない。ここで警官に何かされたら目撃者もいない。だから唐突な動きはしない。ポケットに手も入れない。その動作は死をも招く。無事にすれ違うまで平静を装い、淡々と歩く。もし声を掛けられたら、聞かれたことにのみ答え、口答えはしない。そして無事、解放されるまで、やはり平静を装う。犯罪歴など無く、後ろ暗いことが何も無くとも、同じだ。

 


 


7月18日。フロリダ州ノースマイアミで黒人男性が警官に脚を撃たれた。この男性、チャールズ・キンゼイ氏は警官に対して黒人男性が「してはいけないこと」を全てやらなかった。それどころか、自ら路上に横たわり、両腕を上げ、自分の職業と状況説明をし、つまり撃たれないために「すべきこと」を全てしたにもかかわらず、それでも撃たれてしまった。

 


キンゼイ氏は障害者施設に勤務するセラピスト。この日、自閉症の23歳の青年が施設を抜け出したため、連れ戻そうとしていた。ところが、青年が持っていたトラックのオモチャを銃と見間違えた近隣の住人が警察に電話。警官が駆け付けた時点でキンゼイ氏はここ最近の警官による黒人射殺事件と、元米兵の黒人による警官射殺事件を思い、地面に寝、両手を上げた。

 


この辺りから目撃者がビデオ撮影を開始。キンゼイ氏は自分の足下に座り込んでいる青年に「腹這いになれ」と言うが、普段はキンゼイ氏と仲が良いとされる青年は「黙れ!マヌケ!」と叫び返し、言うことを聞かない。

 


キンゼイ氏はすでにライフルを構えている警官に対し、「彼が持っているのはオモチャのトラックだけです。私は施設のセラピストです」「銃は必要ありません」と大きな声で伝えている。

 

黄緑のシャツが障害者施設セラピストのキンゼイ氏。グレーのシャツは自閉症の青年。

 


ここでいったん映像が切れ、警官が3発撃ち、1発がキンゼイ氏に当たった後に再開している。キンゼイ氏と青年は共に路上に腹這いで手錠をかけられている。ビデオ撮影をしている人たちの会話が録音されている。

 


「どうして太ったやつ(青年)じゃなくて、黒人が撃たれたんだ?」
「なぜって、黒人の件だよ」

 


黒人の件とは、先述の射殺事件のことと思われる。

 


キンゼイ氏は収容先の病院で地元TV局のインタビューを受けた際に、撃たれた直後、警官に「サー(Sir),  なぜ、私を撃ったんですか?」と聞いたと言っている。

 


警官の答えは「I don't know.」(分からない)だった。

 


 


これまで何度も書いてきたように、こうした事件の根本の原因は警官が抱える黒人への恐怖心だ。子どもの頃から周囲の大人やメディアによって染み込ませられた黒人への恐怖。それは警官になっても消えることはない。だから「撃たれる前に撃て」となる。相手が「障害者施設のセラピスト」と名乗っても、その声が耳に入ることはない。相手は「黒人」なのだ。

 


事件翌日の警察発表は「警官は青年が銃を持っていると思い、キンゼイ氏の安全のために青年を撃ったつもりがキンゼイ氏に当たった」

 


警官組合の談話は「事故だった。警官も時には間違いを冒す。警官はコンピュータでもロボットでもない。神の創造物だ」

 

 

 


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author:堂本かおる, category:アメリカ文化・社会, 19:00
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トランプの妻「ミシェル・オバマの演説をコピー」大騒動のあれこれ

 

トランプの妻「ミシェル・オバマの演説をコピー」大騒動のあれこれ

 

 

ドナルド・トランプが正式に共和党の大統領候補に指名される共和党の全国大会、その初日7月18日に最も大きな話題となったのはトランプ本人ではなく、妻のメラニア・トランプだった。

 


大統領選への立候補表明以来、夫トランプが世間を騒がし続ける中、メラニアが表舞台に立つことはあまり無かった。そのメラニアにとって党大会での単独スピーチはまさに大仕事だった。しかし自分が移民であること、両親からハードワーク(勤労)の価値を学んだこと、他者への敬意を次世代にも伝えなければならないことをシンプルに、力強く語り、拍手喝采を浴びた。

 


ところが翌日には「スピーチはミシェル・オバマの盗用だった」と蜂の巣を突いたような大騒ぎとなってしまった。

 


ミシェル・オバマが2008年の民主党全国大会でおこなったスピーチと、メラニアのスピーチの類似部分を並べたビデオ。かなり似通っている。

 

 

 


この“事件”に対し、3つのグループが大きく反応した。

 


●アメリカ
アメリカは剽窃(盗用、盗作)にとても厳しい。学生は論文を書くにあたってこのことをみっちりと教わる。それでも時には盗用が行われ、「大学教授が論文の盗用で辞職」「政治家がスピーチの盗用でバッシング」が一定の頻度でニュースになる。ちなみにバイデン副大統領も過去に盗用スピーチで大統領立候補を取り下げるという苦い経験をしている。

 


●共和党
トランプのイメージアップとなり、大成功と思われたスピーチが一夜明けると大スキャンダルに。しかも盗用元が過去8年間、大統領の座から引きずり下ろそうとして成せなかったバラク・オバマの妻。最悪のケースである。

 


●アフリカン・アメリカン
中でも女性たちにとってミシェルは“クイーン”とも言うべき存在。そのミシェルから “白人女性” が “盗んだ” のである。この盗用事件もさっそく多くのコラージュやジョークのネタにされているが、その中のひとつが映画「ブリング・イット・オン」のワンシーンだ。

 


ライバル同士の黒人チアリーダーと白人チアリーダーの会話シーンがある。白人チームが黒人チームの優れた振り付けをこっそり盗み続けていることに、黒人チームのキャプテン(ガブリエル・ユニオン)が「もう我慢できない」という表情で言う。「私たちが何かを手に入れるたびに、あなたたちは盗んで、自分たちのモノにしちゃうのよ!」

 


以下はその例としてよく引き合いに出される音楽史話だが、1950年代にリトル・リチャード、チャック・ベリーなど優れた黒人「ロックンロール」ミュージシャンがいた。しかし、ロックンロールをビジネスとして成功させたのはエルヴィス・プレスリーであり、以後、プレスリーは「キング・オブ・ロックンロール」と呼ばれ、ロックンロールという言葉は白人の音楽を指すようになってしまった。そして数十年後、今度はヒップホップが……。プレスリーやエミネムが類い稀な才能と魅力の持ち主であることは事実だが、それはこの文脈では関係のない話である。

 

 

コラージュ「私のスピーチを返して」

「私の髪型を返して、私の手のジェスチャー、私のスピーチ、私の……やれやれ」

 

 

 

話は変わって。

 


当初、誰もが原稿はスピーチライターが書いたものだと思った。政界ではそれが当たり前だからだ。ところスピーチライターによって書かれた原稿が、メラニアの意向により政治原稿の経験のないトランプ・オーガニゼーションのスタッフライターによって書き直されたらしい。

 


騒ぎが続く中、21日にスタッフライターが公開書簡を発表。原稿の内容に満足しなかったメラニアがミシェルのスピーチの一部を持ち出し、ライターはそれをスピーチに挿入した。つまり自分の誤ちであり、辞職を願い出たがトランプは「誰でも失敗は冒す」と辞職させてくれなかったとある。

 

 

書簡には、メラニアがミシェルのスピーチを持ち出したのは「メラニアが常に好感を抱いている人物はミシェル・オバマ」だからとも書かれている。

 


共和党にとって最悪の一文である。ミシェルが万人を魅了する女性であることは事実だが、政治演説の経験のないメラニアが、政治原稿の経験のないライターに訂正をさせ、それを誰もチェックしなかったというトランプ陣営の甘さが露見した。政治経験のないトランプが大統領になれば、こうした事態が頻発するのは容易に予測できる。

 

 

 

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author:堂本かおる, category:大統領選, 18:43
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連邦議事堂のインターンはメラニン色素で決まる〜マイノリティは資格なし?

 

連邦議事堂のインターンはメラニン色素で決まる〜マイノリティは資格なし?

 

 

今日、7月18日、オハイオ州で共和党の全国大会が始まった。この大会で正式にドナルド・トランプが共和党の大統領候補、マイク・ペンス(現インディアナ州知事)が副大統領候補に指名される。

 


過去2週間に全米各地で警官による黒人男性射殺、元米兵の黒人男性による警官射殺が4件も起り、共和党の全国大会はかつてないほどの緊張感に包まれている。オハイオ州には「オープンキャリー法」があり、装填した銃を他者に見えるように携帯することが合法。つまり大型銃を肩にかけてスーパーマーケットで買物をすることも許される。

 


言うまでもなくトランプはマイノリティの多くから支持をされないどころか、激しく嫌われており、一方、白人至上主義者はトランプを支持。党大会の会場周辺に集うトランプ支持派、アンチ・トランプ派がいともたやすく人種対立に結びつく可能性がある。その双方が全員ではないにせよ銃を所持するわけで、警備をおこなう警察もさらなるプレッシャーにさらされている。

 


 


この党大会の2日前、下院議長のポール・ライアンがインスタグラムにアップした1枚の写真が大きな批判を浴びている。

 


この夏、ワシントンD.C.の連邦議事堂(国会議事堂)でインターンとなる若者たちとライアンのセルフィー、自撮り写真だ。

 

 

 

 

今のアメリカでこの写真を見て驚かないわけにはいかない。この原稿を書いている時点で6,500ものコメントが書き込まれている。

 

「白人の海」(何かが大量にあることを "the sea of ~" と言う)


「冗談だろ?」


「共和党の反映」


「(インターンの資格に)メラニン色素以外に求められるものは無いのか?」


「これが全員黒人だったら問題になるだろう」

 


下院議長のライアンが共和党であることと、インターンたちの支持政党がどれほどリンクしているかは不明。しかし、国政に強い関心を持つ若者が貴重な経験を得られる場をマイノリティに提供せず、それを前回の大統領選に立候補すらした下院議長が臆することなく公表している。特に黒人と警官の射殺事件が続き、人種問題が非常な緊張状態にある今、である。

 


ライアンは「ポリティカリー・コレクトネス」としてマイノリティも採用する、仮にこの写真の中にマイノリティが1人か2人でも含まれているなら(最後部にアジア系男性?)、自分に近い場所に座らせるなどの配慮を一切おこなっていない。そうした配慮がマイノリティの若者を勇気付け、来年インターンに応募するきっかけになるかもしれないのだ。しかし、アメリカ合衆国下院議長という国政のトップにある人物は、人種的マイノリティの国政参加を望んでいない。

 

 

一枚の写真が、アメリカの人種問題の根深さをかくも雄弁に物語っているのである。

 

 

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author:堂本かおる, category:ブラックカルチャー, 06:49
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「ブラック・ライヴズ・マター」という言葉は何を意味するのか

2016/07/12

 

「ブラック・ライヴズ・マター」という言葉は何を意味するのか

 


今、アメリカで大きな社会現象となっている「ブラック・ライヴズ・マター」運動。ブラック・ライヴズ・マター Black Lives Matter とは一体、何を意味するのか。

 


ブラック・ライヴズ・マターは 4年前、当時17歳の黒人少年トレイヴォン・マーティンが自称自警団の男性に射殺された事件を発端に生まれた運動であり、以後、黒人が警官に殺害されるたびに全米各地で大規模なデモを行っている。

 


そして先週。アメリカにとって非常に辛く厳しい一週間だった。7月5日にルイジアナ州、翌6日にミネソタ州で黒人男性が警官に射殺された。たちまち全米で抗議デモが展開され、7日のテキサス州でのデモ中に警官5人が「スナイパー」によって射殺される事件が起きたのだ。犯人は米軍退役兵の黒人男性だったが、ブラック・ライヴズ・マターとは無関係だった。

 


過去に起きた警察による黒人殺害事件それぞれの詳細、ブラック・ライヴズ・マターの活動形態についてはこれまでに雑誌の記事、ブログ、ツイッターに書いてきた。今回は日本語には馴染みにくい「ブラック・ライヴズ・マター」Black Lives Matterという言葉そのものと、その周辺事情について書いてみる。

 


 


この「ブラック・ライヴズ・マター」というフレーズが日本で浸透しにくいのは、かつての黒人運動の象徴であった「ブラック・パワー!」と違い、英語のままだと意味が分からない、分かりやすい直訳もできないことではないかと思う。


Black Lives Matterは直訳すると「黒人の命 “は” 大切」となるが、これでは本当の意味と背景が分からない。この言葉が表しているのは、「これまで人種差別と白人特権により白人の生命のみが尊重され、黒人はいとも容易く殺されてきたが、黒人の生命 “も”また、同等に大切なものだ」という主張だ。

 


 


ところがアメリカにも「黒人たちが『黒人の命 “こそ” 大切』と主張している」と解釈し、「黒人の命 “だけ” を取り立てて重要とするのは逆差別」「全ての人種の命が等しく大切であり、つまり"All Lives Matter"だ」との声がある。この類いの発言は黒人が置かれてきた、今も置かれている位置を理解しない層の口から出ることが多い。

 


警官たちもブラック・ライヴズ・マターという言葉を嫌う。ブラック・ライヴズ・マター運動の目的は「警察暴力」という構造的な現象への抗議だが、デモ現場ではデモ参加者が警官にカースワードを投げ付け、中指を立てることもある。デモを阻止しようとする警官隊と参加者がぶつかり、双方に身体的な危険も付きまとう。そして今回、警官12人が狙い撃ちされ、5人が亡くなるという最悪の事態が起ってしまった。

 


このように銃社会アメリカでの警官は文字どおりに命Lifeを賭けた仕事であり、彼らとってもLivesという言葉は非常に重い。そこでブラック・ライヴズ・マターへの対抗として生み出されたのが「ブルー・ライヴズ・マター」Blue Lives Matter、「警官の命も尊重されて然るべき」というフレーズだ。アメリカでは青blueは警察を象徴する色なのだ。

 

 

Black Lives Matter

 

All Lives Matter

 

Blue Lives Matter

 


三者三様の歴史と生活背景と思考。
それらの折衷点を、アメリカは模索し続けていくことになる。

 

 

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author:堂本かおる, category:ブラックカルチャー, 01:05
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「アメリカであなたが黒人なら殺される23の理由」 〜アリシア・キーズ

「アメリカであなたが黒人なら殺される23の理由」

 〜アリシア・キーズ

 

止まらない黒人への警察暴力と、黒人の生命の貴重さを訴えるカウンター運動ブラック・ライヴズ・マター。アメリカは今も大揺れに揺れている。


その最中、R&Bシンガーのアリシア・キーズがビヨンセ、リアーナ、レニー・クラヴィッツ、マックスウェル、A$APロッキー、ボノなど錚々たるメンバーを集めて「We Are Here Movement」を起こした。


7月13日にアップされたビデオ「アメリカであなたが黒人なら殺される23の理由」には、過去に主に警察暴力によって命を落とした黒人たちの名と、死に追いやられた理由が延々と23件分続く。



これほどたくさんの人が殺された理由は「雨の日にフーディを被っていた」「子どもが公園で玩具の銃で遊んでいた」「自宅アパートの遅いエレベーターの代わりに非常階段を使っていた」など、いずれも誰もが日常生活で何も考えず、ごく普通のおこなう行動だ。しかし黒人であれば、その代償が時には「死」、しかも警官の放つ銃弾によるものとなってしまう。



以下がそのリスト。



1)サンドラ・ブランド(28)
2015年7月13日
テキサス州ウォラー
「車線変更時に方向指示器を未灯火」
(※留置所内で死亡)

 

 

2)フィランド・カスティリョ(32)
2016年7月6日
ミネソタ州ファルコンハイツ
「恋人の車を運転」

 

 

3)レマーリー・グラハム(18)
2012年2月2日
ニューヨーク市ブロンクス
「自宅アパートのトイレへ走り込む」

 

 

4)エリック・ガーナー(43)
2014年7月17日
ニューヨーク市スタテンアイランド
「雑貨屋の前でタバコを販売」
(※警官に羽交い締めにされ、窒息死)

 

 

5)オスカー・グラント(22)
2009年1月1日
カリフォルニア州オークランド
「電車に乗る」

 

 

6)グレッグ・ガン(58)
2016年2月25日
アラバマ州モントゴメリー
「友人と自宅へ向って歩く」

 

 

7)フレディ・グレイ(25)
2015年4月12日
メリーランド州ボルティモア
「目を合わせる」
(※警察署へ向う警察車輛の中で負傷、死亡)

 

 

8)アルトン・スターリング(37)
2016年7月5日
ルイジアナ州バトンルージュ
「スーパーマーケットの前でCDを売る」

 

 

9)トレイヴォン・マーティン(17)
2012年2月26日
フロリダ州サンフォード
「フーディを着る」
(※自称自警団の男性に射殺される)

 

 

10)マリオ・ウッズ(26)
2015年12月2日
カリフォルニア州サンフランシスコ
「警官から歩き去る」

 

 

11)ラクアン・マクドナルド(17)
2014年10月20日
イリノイ州シカゴ
「警官に歩み寄る」

 

 

12)サミュエル・デュボース(43)
2015年7月19日
オハイオ州シンシナチ
「前部のナンバープレート紛失」

 

 

13)タミア・ライス(12)
2014年11月23日
オハイオ州クリーブランド
「オハイオの公園でモデルガンを手に持つ」
(※同州は銃の携帯が合法)

 

 

14)ウォルター・L・スコット(50)
2015年4月4日
サウスカロライナ州ノースチャールストン
「ブレーキライトの壊れた車を運転

 

 

15)ショーン・ベル(23)
2006年11月25日
ニューヨーク市クイーンズ
「婚前パーティの前に自分の車の中に座る」

 

 

16)アカイ・ガーリー(28)
2014年11月20日
ニューヨーク市ブルックリン
「自宅アパートのビルの非常階段を使う」

(※射殺した警官はアジア系)

 

 

17)レニシャ・マクブライド(19)
2013年11月2日
ミシガン州ディアボーンハイツ
「事故の後に助けを呼ぶ」

 

 

18)インディア・M・ビーティ(25)
2016年3月19日
ヴァージニア州ノーフォーク
「ヴァージニア州でモデルガンを手に持つ」
(※同州は銃の携帯が合法)

 

 

19)

クレメンタ・ピンクニー(41)
シンシア・ハード(54)
シャロンダ・コールマン・シングルトン(45)
ティワンザ・サンダース(26)
エセル・ランス(70)
スージー・ジャクソン(87)
ディペイン・ミドルトン・ドクター(49)
ダニエル・シモンズ(74)
マイラ・トンプソン(59)
2015年6月17日
サウスカロライナ州ノースチャールストン
「聖書勉強会へ向う」
(※白人青年が黒人教会で銃を乱射)

 

 

 

20)ジョン・クロフォード(22)
2014年8月5日
オハイオ州ビーバークリーク
「ウォルマートでBB銃を手に持つ」
(※量販店の棚に陳列されていた銃を手にしていた)

 

 

21)レキア・ボイド(22)
2012年3月21日
イリノイ州シカゴ
「笑う」

 

 

22)アマドゥ・ディアロ(23)
1999年2月4日
ニューヨーク市ブロンクス
「サイフを掴む」
http://www.nybct.com/5-04-MM2000-5.html

 

 

23)ジャマル・クラーク(24)
2015年11月15日
ミネソタ州ミネアポリス
「誕生パーティに参加」

 

 

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author:堂本かおる, category:アメリカ文化・社会, 18:00
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2日連続で起った警官による黒人殺害事件 〜 ルイジアナ州・ミネソタ州

7月5日、ルイジアナ州バトンルージュで黒人男性が警官に射殺される事件が起った。

 


路上でCDを売っていたアルトン・スターリング(37)が駆け付けた警官によって地面に押さえ付けられ、身動きできない状態で至近距離から数発撃たれて死亡したのだ。

 


一部始終が現場に居合せた人たちによってビデオ撮影されており、即日、全米がそれを見て大騒ぎとなった。

 




事件の詳細もまだ不明な翌6日、今度はミネソタ州で車を運転中の黒人男性が警官によって射殺された。その様子は車に同乗していた恋人が撮影し、ライブストリーミングしたため、またしても大騒ぎとなっている。

 


恋人がビデオの中で語った内容によると、車のテールランプが故障していたために警官に停められた際、運転していたフィランド・カスティル(32)が許可証のある拳銃を所持していることを警官に告げ、免許の類いをサイフから取り出そうとした瞬間に警官が数発撃ち、カスティルは死亡したとのこと。


恋人が撮影したビデオ(閲覧注意)

 

 

どちらも今後、捜査が為されて詳細が報道されるはずだが、黒人市民による抗議運動がすでに始まっている。

 


大統領選まっただ中につき、ヒラリー・クリントン、ドナルド・トランプ両候補の対応も待たれる。

 


いずれにせよ、警官による黒人射殺事件が無くならない根本の理由は「警官の訓練不足」ではなく、「警官が抱える黒人への恐怖心」だ。

 


これまで何度もあちこちで書いたように思うが、警官たちもかつては「アメリカの普通の子ども」「アメリカの普通の若者」として、周囲から「黒人は怖い」というメッセージを受けて育っている。警官となり、容疑者と相対する際のスキルを訓練されても無意識下に染み込んだ恐怖心は無くならない。銃を持つ警官の黒人への恐怖は、黒人の殺害にいとも簡単につながってしまう。

 


つまり、アメリカ人の日常生活が人種を超えて平等になり、黒人へのステレオタイプが完全に払拭されるまで同様の事件は起り続ける。道のりは長い。

 


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author:堂本かおる, category:アメリカ文化・社会, 12:46
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