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200ドルの札束〜ハロウィンパーティ

以下、ハロウィンパーティに関するツイートのまとめ + ハーレム定番ダンスソング


1)息子の小学校のハロウィン・パーティで腰を抜かした件。ブロンクスのプロダクション協賛のダンス・コンテストがあって息子が優勝した。賞金は200ドル(ここでまず「え!小学生に!」と驚く)


2)プロダクション所属のラッパーのお兄さんに呼ばれて息子は会場中央に。そこで渡されたのは、1ドル札ばかり200枚を束ねた「札束」だった!


3)驚く息子本人と、本人以上に盛り上がる子どもたち。たくさんの子が、ギャングスタ・ラッパーがビデオでやってるアクション、札束を片手に持って、もう一方の手で札を手裏剣みたいにバラまく、をやれやれ!と囃し立てる。


4)この全容をおそらく知らされていなかった校長先生(おっとりした白人男性。トイストーリーのウッディの仮装・笑)は息子の背後で目を白黒。親の私も目を白黒。あぁ、ハーレム…、あぁ、ブロンクス……


5)DJのかけた曲、エレクトリック・スライド、チキンヌードルスープ、ハーレム・シェイクは定番なれど、今日はBobby Shmurda かけたから、これもびっくりした。


6)200ドルの札束 for 小学生 at ハーレム。



7)ハロウィン札束事件。なんだかんだ言いながら、あれが黒人社会の一部の反映。「あれにどっぷり、あれしか知らない」は困るけれど、メインストリーム文化も教えることで、黒人の子どもはアメリカ文化の二極バイリンガルになれる。


蛇足)黒人の子が文化バイリンガルになれるのと違って、白人の子がギャングスタラップをBGMに札束撒いても「タダの黒人ワナビー」となる。#ダブルスタンダード


↓ ハーレムでは小学生も踊る定番ナンバー

Webstar, Young B 「Chicken Noodle Soup」 ft. AG aka The Voice of Harlem

Cali Swag District 「Teach Me How To Dougie」

Marcia Griffiths 「Electric Boogie (The Electric Slide)」

Mr. C The Slide Man 「Cha-Cha Slide」




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author:堂本かおる, category:ハーレム, 21:55
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礼を言わない母親と席を譲る男〜ハーレムにて

土曜の夜7時頃、ハーレムのスターバックスで友人とコーヒーを飲んでいたら、テーブルの脇に若い母親と6〜7歳くらいに見える女の子が立った。満席だったから、母親は女の子に立ったままで買ったばかりのクッキーだかパウンドケーキだかを食べなさいと言った。

それを見た私は女の子に席を譲った。女の子は素直に座って大人しく食べ始めた。母親は礼も言わず、立ったままコーヒーを飲み始めた。私も立ったまま友人と話し続けた。ニューヨーク、特にゲトーに住んでいると、これくらいのことではいちいちムっとしなくなる。とても丁寧にサンキューを言う人と、全く礼儀知らずのぞんざいな人間が同居するからだ。

すると私の逆隣りに座っていた男性が私に席を譲ってくれた。「大丈夫」と断ったけれど、「ボクはもう出るから」と言うのでサンキューと言ってイスを引き寄せ、そのまま友人と話し続けた。女の子は同じテーブルの私の隣りでケーキを食べている。

ふと見ると、母親がいなくなっていた。表でタバコを吸っているのがガラスのドア越しに見えた。やがて母親はいったん店内に戻ってきて、娘を連れて出て行った。私への礼は当然無しである。

普通に考えると、母親がとんでもない人間で、私に席を譲った男性が善人に思える。多分そうなのだろう。いや、そうだろうか。

ハーレムにはシングルマザーがとても多い。子どもの4人に1人くらいはシングルマム家庭育ちではないかと思う。これはつまり、子どもを持つ男の圧倒的多数が子どもと同居していないことを示す。別居だけならともかく、養育費を払わない父親も多い。取り立てのために家庭裁判所に通う母親も少なくない。

そんなことも含めてたくさんのストレスを抱え、本来は善人なのに無作法になる母親もいる。一方、自分の責任を果たさず、けれど他人には親切な男たちもいる。

あの2人の私生活は知る由もないし、全くの見当違いかもしれないけれど、帰りの地下鉄でふとそんなことを考えた土曜の夜。




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author:堂本かおる, category:ハーレム, 05:22
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レミー・マ 復活!〜 Black Love 〜 結婚する黒人のサイファー

昨夜のBETヒップホップ・アワードのサイファーにレミー・マが登場した。6年間の刑務所暮しを経ての復活だった。獄中結婚した夫でラッパーのパプースと共に「ブラック・ラヴ」を謳った。


レミー・マ&パプース「Black Love」

※クリックすると聴けます

レミー・マはブロンクスのプロジェクト(低所得者用公団アパート)出身。同郷のビッグ・パンに見初められ、やがてファット・ジョーのテラー・スクワッドに参加し、2004年の夏に「リーン・バック」をビルボードのシングル・チャートHot 100で3週連続1位の大ヒットとした。

しかし2007年の夏、「金を盗った」と女友だちを撃ち、重症を負わせる。翌年3月に有罪、懲役8年となり、服役。2ヶ月後の5月にフィアンセのパプースと刑務所内にて結婚。そして今年8月、6年の服役を経て出所。

入所時、レミーにはすでに息子がおり、パプースは獄中のレミーを支えると同時に自分の子ではない息子ジェイソンを育ててきた。この2人が「ブラック・ラヴ」〜セレブ黒人“夫婦”のリストをサイファーしたのだ。

パプース「ウィル・スミス」
レミー「ジェイダ(ピンケット・スミス)」


メロ(カーメロ・アンソニー)
ララ(アンソニー)

マンデラ
ウィニー

スウィズ
アリシア

2パック
アフィニ(母親)

T.I.
タイニー

バラク
ミシェル

ドウェイン・ウェイド
ガブリエル(ユニオン)

ニック
マライア

ウィズ
アンバー

マーティン(キング牧師)
コレッタ

ビギー
ヴォレッタ(母親)

ジェイ・Z
ビヨンセ

カニエ
キム・K

パプース
レミー


That's Black Love!

レミーはゲットー出身の苦労人かつ非常に短気でケンカっ早い。10年ほど前、「ヒップホップで高校中退を防ぐ」という内容のパネル・ディスカッションを観覧した時、壇上になぜかレミーもいて、当時の教員組合長と口論なったのを目撃した。 「私は中退だけど、友だちの中でいちばん稼いでるわよ!」

それからほどなくして、先の銃撃事件を起こした。「あんたに預けた3000ドルが無くなった!」と至近距離から友人の腹を撃ち、もだえ苦しむ友人を気にもかけず、友人のバッグの中を探ったと言う。

そんなハードコア・ゲトーなレミーが結婚したのだ。そして、結婚しているセレブ・カップルのリストをサイファーし、そこに自分と夫の名を加えた。

 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

若い黒人の婚姻率はとても低い。黒人社会はシングルマザーが圧倒的に多く、黒人の子どものうち母親と父親の両方と一緒に暮しているのは3分の1に過ぎない。ハーレムだと4分の1程度にも感じる。シングルマザーがすなわち悪ではなく、「貧困」と「家族の概念の欠落」が問題となるのだ。ゲトーでは「教育の質が低い→低学歴→親が無職または低賃金ゆえに犯罪者になる者もいる→子どもも貧困」のサイクルが延々と続いている。このサイクルを破るには両親共働きが必要になる。さらに未婚の若者が10代で子どもを生み始めるため、男女ともにやがて別の相手が出来て、そこにも子どもが生まれる現象がある。女性が父親の違う3人の子どもを育て、男性は3人のガールフレンドにそれぞれ子どもを生ませ、しかし誰とも同居せず、養育費も払わないケースもある。こうした環境で育つ子どもたちの家族観がどうなるかは言わずとも知れる。

こうした「家族」の在り方を憂慮する声は以前からある。レミーとパプースの「ブラック・ラヴ」リストの筆頭に挙ったウィル・スミスも「子どもの成長を見守る父親」をテーマとした絵本を出している。ハーレムには「若い男性が良い父親になる」ための教室もある。この教室ではすでに生まれている子どもとの関わりを重視し、子どもの母親(baby mama)との結婚は強要しないが。

ここしばらくのビヨンセにも、黒人社会に「結婚=家族の構築」を促す気配がある。曲やビデオでは女性の独立を強調しながら、ツアーの名称がまさかの「ミセス・カーター」だった。ちなみに今どきは既婚女性も「Ms.」を使うことが多く、「Mrs.」は稀であり、そうした意味でも目を引くネーミングだった。また、今年のジェイ・Zとの夫婦(めおと)ツアーでも2人が「サンキュー、ミスター・カーター」「サンキュー、ミズ・カーター」と言い合うシーンがあった。

この黒人セレブ夫婦が、合衆国最高位にある黒人夫婦、バラク&ミシェルと友人なのも偶然には思えない。黒人社会は今、いったん無くした「結婚」という男女の絆、家族の在り方を取り戻そうとし始めているのかもしれない。




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author:堂本かおる, category:ブラックカルチャー, 06:13
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