先日、息子の学校の博物館への遠足に保護者ボランティアとして同行。朝8時半に教室に入り、出発の9時までいつもどおりの朝のセッションがあり、それを見学。
まだ1年生なので朝はカーペットに輪になって座り、昨日の復習らしきことをする。先生がホワイトボードに「今日は木曜日です。博物館に行きます。」と書く。大文字・小文字がわざと間違えてあり、単語間にスペースの無いところもある。それを子どもに見つけさせる。小さな子どもが文章を書く際、単語間のスペースは想像以上に難問で、かなり練習を重ねる。大文字・小文字と共に英語ならではの現象。
そんなことをやっている最中、ひとりの男の子が教壇付近に行き、40〜50センチ角の小さな絨毯を敷いてそこに座る。西アフリカからの移民の子で、イスラム教徒。朝のお祈りの時間なのだ。といっても所詮6歳。ひとりでお祈りできるわけもなく、単に座っているだけ。自分で3分にセットしたタイマーがピピッと鳴ると、それでお終い。みんなの輪に戻る。お祈りする習慣を身に付ける練習の段階なのだろう。
毎日のことらしく、他の子たちは何も言わない。先生もタイマーが鳴ると「終わったの? 輪に加わりなさい」と言うだけ。
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9時になり、博物館に向かう。ボランティアの親はそれぞれ4人の子どもを割り当てられる。私が担当した中のひとりは、やはり西アフリカ系の女の子。博物館に着いてから少し待ち時間があった時、その子が私に「スペイン語、話す?」と訊く。「話さない。日本人だから日本語を話すけど」と答える。
ハーレムにはアジア人はまだ少なく、この女の子は日本人が何かなんて知らない。けれど私が<アメリカ人ではない=英語以外を話す>ことを察し、そうなるとハーレムにいる非英語話者の中ではラティーノが圧倒的多数なので、私のこともスペイン語話者だと思ったのだ。
この子はアメリカ生まれだからアクセントのない英語を話すけれど、親とはアフリカの言葉で話す。だから「おかあさんと話す時、なんていう言葉を使ってるの?」と訊いてみる。「……分からない」と答える。6歳にして、すでに移民の子であることを隠そうとし、「分からない」はそのための精一杯の返答なのだ。実はアフリカ名を持っているので隠しようはないのだけれど、それにはまだ気付いていない。
「おかあさんとは英語以外で話してるでしょ、あれ、クールよ」と言うと、少しホッとした様子で、「おかあさんとは英語じゃない言葉で話すの」と繰り返した。
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息子の学校はハーレムにあり、クラスメートの人種・民族構成は以下の順
1)アフリカンアメリカン(17人)
2)ラティーノ カリブ海系(プエルトリ系/ドミニカ共和国系)(5人)
3)西アフリカ系(3人)
4)ラティーノ メキシコ系(1人)
4)ハイチ系(1人)
)白人・アジア系(0人)
※ミックスの子もいると思われるし、顔立ちや名前からはエスニックが分からない子どもも多く、上記の人数は推定
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