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ハーレムを歩く(ハーレムツアー、ゴスペルツアー、ラティーノツアー)
ハーレムを歩く(ハーレムツアー、ゴスペルツアー、ラティーノツアー)

 ひさしぶりにハーレムの魅力について書いてみる。

■ハーレム

 ハーレムの魅力とは、要するに「一言では語り切れない」複雑さにある。再開発が進んだ今も黒人の街であることは確か。過去100年間、黒人の街だっただけあり、あちこちに濃厚な黒人文化がある。昔はジャズクラブだった古い建物とか、マルコムXが演説をした交差点とか、刺されたキング牧師が搬送された病院とか、ヒップホップの歴史を描いた大きなグラフィティとか。

 そうしたものを見て回るだけでもハーレムの、アフリカン・アメリカンの、文化と歴史に驚き、感銘を受けて、ため息が出ることと思う。けれどハーレムの魅力、本質は今、生きて、暮らしている人たちなのだ。



 私のハーレム・ウォーキング・ツアーは3時間、ハーレムを歩く。途中、いろいろな人たちとすれ違う。若者、お年寄り、親子連れ、電動車椅子の人、アフリカの民族衣装を着た人、道を歩きながらラップする人、ツアーで歩いている私たちを迷っているのかと心配して声を掛ける人。稀には私の友人や知人とばったり会い、挨拶をすることもあるけれど、ほとんどの人は通行人であり、私はその人たちを知らない。けれど、それぞれの人にそれぞれの物語がある。そのひとつひとつの物語は、先に挙げたハーレムの、アメリカの、黒人史と大きく関わり、織り成されている。

 ハーレムを3時間も歩くと、ここを初めて訪れる人であっても、最後にはなんとなくそうしたことを感じてくれているように思う。



ハーレム・ツアー(ブラックカルチャー100%体感!)



■ゴスペル

 ゴスペルは教会の日曜礼拝で歌われる神への賛歌だ。黒人音楽としての素晴らしさは歌詞がわからずとも、クリスチャンでなくとも、必ず味わえる。それどころか感動で鳥肌さえ立ってしまう。

 けれど、礼拝に参加して得られるのはそれだけではない。教会と地元信者のつながりが、なんとなく見えてくる。



 この人たちはなぜ、こんなに熱心なキリスト教信者なのだろう? なぜ毎週、教会に通ってゴスペルを歌い、聴くのだろう? アメリカ黒人の圧倒的多数がクリスチャンなのはなぜだろう? オバマ大統領もクリスチャンだし、日本でも人気のあるR&Bシンガーやラッパー、黒人俳優も多くはクリスチャンだ。

 アメリカという国の歴史、ハーレムというユニークな街の歴史、黒人音楽の歴史、そして個々のアフリカン・アメリカンたちの歴史。それらが渾然一体となっての黒人教会とゴスペルなのだ。



ゴスペル・ツアー(迫力の歌声を全身にあびる!)



■スパニッシュハーレム

 スパニッシュハーレムとは、黒人の街ハーレムの東側に広がるラティーノ/ヒスパニックの街。カリブ海にあるプエルトリコからの人々と、その二世、三世、四世が暮らしている。

 アメリカのラティーノの過半数はメキシコ系だ。けれどニューヨークに住むラティーノの最大多数派はプエルトリカン。彼らはニューヨークになくてはならない存在であり、彼らの早口なスパングリッシュ(英語+スペイン語)はニューヨークというリアル・ダイヴァーシティ都市のサウンドの一部。



 さらにプエルトリカンがいなければ、サルサもヒップホップも生まれなかった。そんなプエルトリカンの街、スパニッシュハーレムは巨大な壁画の宝庫でもある。まさに音楽とアートの街なのである。



スパニッシュハーレム・ツアー(ラテンカルチャー炸裂!)



■ワシントンハイツ

 「ここ、本当にニューヨークなの?」初めて訪れる人が必ず口にするセリフだ。ハーレムの北に位置する街ワシントンハイツは、ドミニカ共和国系の街。ガイドブックの地図から完全に排除されているこの街は、誇張でなく「スペイン語しか聞こえてこない」街。



 観光客が足を運ばないことから、店もレストランもすべてがスペイン語で回されている。けれどこの街で生まれ育った子供たちは、相手によってスペイン語と英語を見事に切り替える。

 街はカラフルだ。ヨーロッパからの移住者が建てた巨大で壮麗な建物があり、夏はそこにトロピカルフルーツやジュースの屋台が出る。どこに行ってもパイナップルやマンゴがある。あちらこちらからバチャータやレゲトンが聞こえてくる。

 古い欧州とカリブ海の空気が共に漂う街なのである。



ワシントンハイツ・ツアー(ここがNY?! スペイン語の街)




JUGEMテーマ:地域/ローカル

author:堂本かおる, category:ブラックカルチャー, 15:14
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