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オバマ元大統領:演説で4,000万円稼ぎ、若者支援に2億円寄付〜ヒューマン・バラク・オバマ第16回
オバマ元大統領:演説で4,000万円稼ぎ、若者支援に2億円寄付
〜ヒューマン・バラク・オバマ第16回


■人間としてのバラク・オバマと、彼がアメリカに与えた影響を描く連載■

 8年間の任期を終えたオバマ元大統領は南洋のパラダイスでのバケーションを存分に堪能し、その後はワシントンD.C.のギャラリーやマンハッタンのレストランに「GQマガジンのモデル」のような出で立ちで現れては、トランプ政権に打ちのめされているアメリカ人民にひと時の幻想を与えた。バラクとミシェルの笑顔を見ると、つい、「あぁ!なんだか良いことが起こりそう!」と錯覚してしまうのである。

 しかし今、バラク・オバマの挙動に若干の批判が起こっている。オバマ氏が9月にウォールストリートの投資銀行カンター・フィッツジェラルド主宰のヘルスケア・カンファレンスで講演し、その演説料が40万ドル(4,400万円)と報じられたためだ。

 さっそく共和党のチャフェツという鬱陶しい下院議員が「稼ぎ過ぎ!大統領の年金を削る!」などと言い出している。大統領時代のサラリーは今回の講演料と同じ額の年40万ドル(※)である。あの激務でこの金額ではまったくもって釣り合わない。さらに年金を削るなど、どれほど嫌がらせがしたいのか。
※他に年5万ドルの経費、10万ドルの旅行費用、1.9万ドルの娯楽費が付く

 共和党のみならず、民主党のバーニー・サンダースやエリザベス・ウォーレン上院議員も「ウォール・ストリートからそれほどの大金を貰うのはいかがなものか」と異議を唱えている。


■若者に200万ドルの寄付

 オバマ夫妻はどんどん稼ぐべきである。贔屓の引倒しと言われるかもしれないが、あのオバマ元大統領が私腹肥やしに執着するとは思えないのだ。ミシェルはかつて、政治家になることに夢中で家庭の経済状態をまるで顧みない夫にため息を付いていたという。(そう言えば、ヒラリーも同じことを言っていた。)

 そんなバラク・オバマは大統領時代にすでにマイノリティ青少年支援のNPOを立ち上げ、「一生続ける」と宣言している。ミシェルはつい先日、ファーストレディ時代に始めた開発途上国の女子教育支援プログラム「Let Girls Learn」を共和党に「廃止する」と発表され、その2日後には新たに建てるオバマ大統領センターで同じプログラムを続けるとツイートしている。貧しい若者や子供を救うための活動資金はいくらあってもあり過ぎることはないのだ。

 そもそも40万ドルの演説で騒いでどうする。バラクとミシェルはそれぞれ来年あたりにホワイトハウス時代の伝記本を出版するが、契約金は2人で6,500万ドル(71.5億円)と伝えられている。出版契約の一部として、出版社は貧しい子供に本の供給を行っているNPOに100万冊の本を寄付することとなっている。

 また、オバマ夫妻は今夏、地元シカゴの「サマー・ジョブ・プログラム」に200万ドル(2.2億円)の寄付を行う。サマー・ジョブ・プログラムとは夏休みの間、14 〜24歳の若者に仕事を斡旋提供する半ば公的な仕組みだ。アメリカの都市部では特にマイノリティの青少年が夏期だけのアルバイトを見つけることは難しい。若者はサマー・ジョブ・プログラムによって仕事を見つけて現金収入を得られるだけでなく、このプログラムに参加したこと自体が「真面目に将来を考えている」ことの証しと捉えられるので履歴書に書ける。また、ここでの仕事=未知の体験が将来のキャリアへのきっかけになることも有り得る。オバマ夫妻の寄付金の多くは若者への賃金として、一部は団体の運営費として使われるはずだ。


■警備の経費

 元大統領および元ファーストレディとして、オバマ夫妻には大きな出費が必要であることも事実だ。次期大統領の就任式1月20日をもってホワイトハウスを出たオバマ一家は、二女サーシャが高校を卒業するまでの2年間、ワシントンD.C.に留まることとした。D.C.の高級住宅地区にある邸宅は白亜の寝室が9つもある豪華かつ歴史ある建物で市場価格は600万ドル(6.6億円)だが、月22,000ドル(240万円)で賃貸している。単なる贅沢ではなく、警備のしやすさを条件に探した結果と伝えられている。

 現行法では元大統領夫妻にはシークレットサービスによる警備が生涯にわたって付く。実は1997年にそれまでの終身警備から引退後10年に変えられていたものを、オバマ大統領が終身制に戻したのだ。

 アメリカの大統領は引退後も何かしらの攻撃のターゲットに成り得るので10年に縮めたのは非常なナンセンスだった。特にオバマ大統領は米国史上初の黒人大統領である。オバマ氏の政治家としての資質、政策、人格ではなく、「黒人である」ことに信じられないレベルの怒りを抱えた人種差別主義者がどれほどいた(いる)かを考えると、夫妻には終身警備が必要である。しかし、この法は将来、また変えられる可能性もある。そうなればオバマ夫妻は自費で警備を賄わなければならない。(過去8年間にオバマ夫妻が受け取った脅迫の類いをホワイトハウスは一切公表していない。アメリカの史実資料としての公開を望む。)

 さらに現行法でも元大統領の子供たちは16歳までしか警備が付かず、すでに18歳で今年の9月からハーヴァード大生となる長女のマリアには公費警備が付かない。この件についてオバマ家からの発表はないが、なにかしらの警備を私費で付けるのではないだろうか。

 いずれにせよ、いわゆる1%のスーパーリッチ企業から多額な講演料や本の出版契約金を受け取り、それをマイノリティの青少年のために使うのである。その活動のためにオバマ一家には少々の警備費と備えが必要なのである。(さらに有り体に言えば、アメリカは黒人奴隷の終身無給強制重労働により経済発展した国である。その結果生まれた1%から得たギャラでマイノリティ支援をするのである。)

 一体、何がいけないと言うのだ?










連載「ヒューマン・バラク・オバマ・シリーズ」
第15回「オバマ大統領が書いた絵本『きみたちにおくるうた―むすめたちへの手紙』 」+(バックナンバー)






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author:堂本かおる, category:オバマ大統領, 16:52
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