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スーパーボウル2017〜多様性を訴えたCM:アンチ・トランプに声を上げた企業

スーパーボウル2017〜多様性を訴えたCM:アンチ・トランプに声を上げた企業

 2月4日に開催されたスーパーボウル。白熱の試合とは別にCMも大きな注目を集めた。トランプ政権のムスリム禁止令、メキシコ国境の壁建設令に危惧を抱いた大手企業数社が、非常に高価なCM放映枠でアメリカの多様性を訴えるCMを流した。中にはメキシコからの違法移民を歓迎する内容のものさえあった。

 CMを再度観るためにアクセスが集中し、サイトが一時的にダウンした企業もあれば、トランプ支持層からのボイコット運動の対象となった企業もある。以下はそのCMである。いずれも英語に不案内でもほぼ内容が分かる構成となっている。


コカ・コーラ Coca Cola
アメリカの愛国歌「アメリカ・ザ・ビューティフル」を多言語で歌ったもの。そもそもは2014年にオンエアされ、その時も批判が起り、今回はコカコーラ・ボイコットのハッシュタグが作られた。


バドワイザー Budweiser


ドイツからアメリカへの移民であったバドワイザーの設立者が「よそ者」として差別され、苦労しながらもアメリカでのビール醸造を目指す物語。このCMもバドワイザー・ボイコットを引き起こした。


84ランバー 84 Lumber (オンエア・バージョン)


内装施行と建材の会社。メキシコからアメリカに不法移民として入国しようと長く辛い旅をする若い母親と少女の物語。トランプが建設しようとしている「壁」を描写したオリジナル・バージョンはスーパーボウルの中継局フォックスから許可が降りず、有刺鉄線の柵のみが写っているバージョンをオンエア。

オンエア・バージョンの最後に「結末はウエブサイトにて」と書かれており、アクセスが集中してサイトは一時ダウン。


84ランバー 84 Lumber (オリジナル・バージョン)


「壁」の建設労働者と「壁」が登場。6分近いミニムービーの赴き。最後に「ここでは成功への意思は常に歓迎される」のメッセージが現れる。保守系の新聞は「この会社はいったい何を考えているんだ?」という記事を掲載した。


エアビーアンドビー Airbnb


さまざまな人種・民族の顔を写し、「あなたが誰であれ、どこから来ようが、誰を愛そうが、または何を信仰しようが、私たちは皆、属すると信じます。世界はあなたが受け入れるほど、より美しくなります」

エアビーアンドビーはアップル、フェイスブック、マイクロソフト、ツイッター社などと共にトランプの政策に反する提訴を行っている。2月6日現在、提訴には97社が参加。


グーグル Google


直接的なメッセージは含まれないが、多種多様な人々の楽しい日常生活の風景を描いている。レインボーフラッグ、ユダヤ教徒が家の入り口に取り付けるメズーザーと呼ばれる祈りのための小さな門柱が意図的に写されている。


ミシュラン Michelin


これも政治的なメッセージはないが、さまざまな人種・民族・言語が現れ、同社のキャラクター、ミシュランマンが手でハートマークを形作っている。

 各企業がこうしたCMを流した理由はそれぞれだろう。企業理念、もしくは設立者の個人的な理念として「アメリカは誰でも受け入れる」を信望しているケースもあれば、ほとんどのIT企業がそうであるように移民や非キリスト教徒なしでは成り立たない業種もある。また、マイノリティ排除の保守性がユーザーに嫌われる業種もあるだろう。

 同時にアメリカ・ファースト派には彼らが思うアメリカの姿がある。

 ふたつの異なるアメリカは今、それぞれが信じる「アメリカの理想像」を掲げているのである。
 




連載「ヒューマン・バラク・オバマ・シリーズ」
第13回「トランプと黒人社会の戦争が始まる」+(バックナンバー)





ハーレム・ツアー(ブラックカルチャー100%体感!)
ゴスペル・ツアー(迫力の歌声を全身にあびる!)
スパニッシュハーレム・ツアー(ラテンカルチャー炸裂!)
ワシントンハイツ・ツアー(スペイン語の街 "In the Heights"はここで生まれた!)

 

 

 

 

 

 

author:堂本かおる, category:トランプ, 10:50
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