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不法滞在の子どもたち 〜 合法化の道を開いたオバマ、閉ざそうとするトランプ〜ヒューマン・バラク・オバマ第7回

不法滞在の子どもたち〜
合法化の道を開いたオバマ、閉ざそうとするトランプ
〜ヒューマン・バラク・オバマ第7回



■人間としてのバラク・オバマと、彼がアメリカに与えた影響を描く連載■

トランプ次期大統領がオバマ政権の政策をことごく覆す発言を繰り返す中、シカゴ市長のラム・エマニュエルがニューヨークのトランプ・タワーに赴き、トランプと会談した。

エマニュエル市長は2012年にオバマ大統領が大統領令を発して施行したDACAと呼ばれる法律を無効にしないよう、陳情したのだった。DACAは通称DREAMERSと呼ばれる、子どもの時期に親に連れられるなどしてアメリカにやってきた若い不法滞在者(※)の強制送還を防ぎ、同時に教育を施して就職させ、最終的には永住権を取得させるプログラムだ。アメリカで高校を卒業すること、犯罪歴の無いことなどの条件が付く。

※アメリカは国籍について出生地法を採っており、親の国籍や滞在資格の有無にかかわらず、アメリカで生まれた子は米国籍となる

エマニュエル市長は同意する16都市の市長が署名した手紙も携えていた。 (ニューヨーク、ロスアンジェルス、デンヴァー、ミネアポリス、フィラデルフィア、サンフランシスコ、シアトル、ボルティモア、セントルイス、ヒューストン、ボストン、フェニックス、ナッシュヴィル、プロヴィデンス)

現在、アメリカには成人も未成年も含め、推定1,100万人の不法滞在者がいるとされている。2012年の施行以来、DACAには74万人を超える申請があった。

■不可能な「不法移民」全員強制送還

トランプも含め、共和党は以前より不法滞在者の合法化を「恩赦」と呼んで強硬に反対し、「全員強制送還」を唱え続けてきた。理由のひとつは「いったん恩赦すると次の恩赦をねらってまた別の不法滞在者がやってくる」であり、確かに一理ある。

しかし全員強制送還が不可能であることは共和党議員も実は知っている。まず、日本の25倍の面積を持つ全米(逆に言えば日本の面積はアメリカの4%)に散らばる1,100万人を捜索し、捕え、一定期間は施設に留め、バスなり飛行機なりに乗せて送り返す予算も人員も場所もない。

次に、成人のほとんどは働いている。アメリカ人がもはや就かなくなった職業に就き、アメリカ経済の底辺を支えている。農場で野菜や果物を摘んでいる、精肉工場で牛を裁いてパッケージしている、工事現場でビルを建てている、裕福な家庭のナニーやメイドをしている、レストランで下働きをしている……彼らを全て送還すると、アメリカ人の生活は成り立たなくなり、同時に物価は急上昇するだろう。

一方、アメリカは子どものバックグラウンドに関係なく義務教育を与えるため、不法滞在者であっても子どもたちはアメリカ人化する。祖国の文化を親から引き継ぎつつ、学校に通うことによって英語を話し、アメリカ人としての基礎を全て吸収しながら育つからだ。彼らはアメリカで生まれた子どもたちと同様にアメリカに貢献する能力を持つ。オバマ大統領も言うように、アメリカがお金をかけて教育した若者を、なぜ祖国に送り返さなければならないのか。中には幼くして渡米し、祖国の言葉を話さないどころか、記憶すら持たない子もおり、彼らにとってはアメリカこそが故郷。そんな子どもを「行ったことも無い」国に送り返すのは非人道的であると同時に、人的資源の無駄でもある。

また、成人にも条件付け、選別は必要だが合法化の道を開き、課税すると、人口が膨大なだけ国庫が潤う。

■レーガンによる不法移民の恩赦があった

それでも執拗に不法滞在者の合法化を拒み続ける共和党に業を煮やし、オバマ大統領は最終手段として大統領令を発動した。

しかし、過去には共和党のレーガン大統領が「恩赦」を行っているのである。1986年にレーガン大統領は不法滞在者のうち、雇用歴があり、犯罪歴のない者など270万人を合法化している。今回の大統領選中、共和党候補者たちはレーガンをアイドルと看做して幾度となくその名を挙げたが、この恩赦については誰も触れなかった。

ジョージ・ブッシュ政権も当初はやはり恩赦反対の立場を採ったが、その間も不法滞在者はどんどん増えるばかり。後にブッシュ大統領自身は恩赦について軟化し始めたが、共和党はガンとして譲らなかった。そのうちに911テロが起り、実行犯が合法に学生ビザを取得していたことから移民法は以前にも増して厳しくなり、不法滞在者の恩赦どころではなくなってしまった。ただしイラク戦争を始めると軍への志願者が足りなくなり、そのため永住権保持の合法移民に対しては「市民権取得のスピード化」を条件にリクルートが行われた。

結局、ブッシュ大統領は1,100万人の不法滞在者問題に手を付けることなく、任期終了。その後、オバマ大統領が苦戦を続けた挙げ句、では、成人はともかく、せめて自身の意思では無く不法滞在者となった子どもと若者を救おうと制定したのがDACA法だ。それを今、トランプが破棄しようとしているのである。

 

 

 

 

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ヒューマン・バラク・オバマ
第1回:父親としてのオバマ大統領〜「私はフェミニスト」
第2回:バラク・オバマは「黒人」なのか〜人種ミックスの孤独
第3回:マイ・ブラザーズ・キーパー〜黒人少年の未来のために
第4回:“二重国籍疑惑”の大統領候補たち〜「生まれつきのアメリカ人」とは?
第5回:ドナルド・トランプを大統領にしてはいけない理由
第6回:大統領はクリスチャン〜米国大統領選と宗教
第7回:不法滞在者となってしまった子どもたち〜合法化の道を開いたオバマ、閉ざそうとするトランプ





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author:堂本かおる, category:オバマ大統領, 18:05
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