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移民都市NYが生んだ知られざるスーパースター 〜3人に1人がヒスパニック

ロメオ・サントスが、ジェイ・Z御大のロック・ネイションが新たに設立したラテン部門のCEOに就任とのニュース。

 

去年『ワイルド・スピード7』にロメオ・サントスがチョイ役で出ていた。その時は、へー、映画にも進出するんだねと思ったものの、その後は音沙汰が無かった理由はこれだったのか。

 

このシーン覚えてますか?

 

ロメオ・サントスはブロンクス出身のバチャータのスーパースター。バチャータとはカリブ海のドミニカ共和国発祥のラテン・ロマン歌謡。ロメオもちょっと甘過ぎるかと思えるほどの声で切なく切なく切なく……そしてもちろん締めはねっとりセクシーに歌う。

 

そもそもはアベンチュラというバチャータ・バンドのリード・シンガー。10代のラティーナたちに絶大な人気を誇った、言うなればラテン・ビートルズ、ラテン・ジャクソン5、ラテン・ワンダイレクション。メンバー4人のうち1人はドミニカ生まれ、ロメオを含む3人がブロンクス生まれ。ちなみにロメオは父親がドミニカ系、母親がプエルトリコ系のカリブ海ラテン・ミックス。

 

後にロメオはソロとなり、2013年にはマディソン・スクエア・ガーデン3公演ソールドアウト、翌2014年にはなんとヤンキー・スタジアム2公演ソールドアウトという前代未聞の記録を打ち立て、まさに超弩級スーパースターとなった。

 

・・・・

 

生まれも育ちもニューヨークのロメオは英語とスペイン語のバイリンガルだけれど、これまでリリースした曲はすべてスペイン語。それでヤンキー・スタジアムを2日完売したのだから彼の人気の程だけでなく、スペイン語曲の需要の高さもよく分かることと思う。ニューヨーク市の人口840万人のうち、今では3割がヒスパニックなのだ。(コンサートには他州はもちろん、本国ドミニカ共和国やプエルトリコからもファンが飛んで来ていると思うけど)

 

こんなふうに英語を話すアメリカ人(移民二世)でありながら、あえてスペイン語のみで歌ってスーパースターとなった先例はマーク・アンソニー。彼もニューヨーク生まれのプエルトリコ系。プエルトリコはアメリカ領であり、したがって正確には“移民”ではないものの、生活環境、社会的ポジションとしてはロメオと同じ。

 

そのマーク・アンソニーが巧みだったのは、ハリウッド映画には英語で出演し、非ヒスパニックのアメリカ人にも知名度を広めたこと。ロメオが『ワイルド・スピード7』に出演し、今、アメリカで公開中の映画版『アングリー・バード』に声の出演をしているのもマーク・アンソニーに倣っているのだろうと思う。

 

いずれにせよ、アメリカには「ラティーノだけが知っているスーパースター」がいて、その中から、やがて世界的な知名度を得る者が輩出される。それを見越したビジネスマン、ジェイ・Zはラテン音楽へ手を広げるのだな。もしかするとロメオの映画出演は、契約に先立ってすでにジェイ・Zから出された指令なのかしらん、と穿ってみるなど。

 

※ドミニカ系アメリカ人:全米に180万人。人口比では0.54%に過ぎないが、うち4割がニューヨーク市に集中し、ニューヨーク市のラティーノの中では最大多数派。特にマンハッタンのハーレムに隣接するワシントンハイツ、およびブロンクスに多い。

 


以下、オマケとしてドミニカ系アメリカ人アーティストのリストを。


・ゾーイ・サルダナ(アバター、スタートレック)
・ミシェル・ロドリゲス(ワイルド・スピード)
・トリスタン・ワイルズ(アデル『Hello』ビデオ)
・ダーシャ・ポランコ(オレンジ・イズ・ニュー・ブラック)
・ファボラス(ラッパー)
・アーヴ・ゴッチ(ラッパー)
・40 Cal.(ラッパー)
・J. R. ライター(ラッパー)
・ジュエルズ・サンタナ(ラッパー)
・トリナ(ラッパー)
・キャット・デルーナ(シンガー)
・アレックス・ロドリゲス(NYヤンキーズ)
・オスカー・デ・ラ・レンタ(故人、デザイナー)




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author:堂本かおる, category:ラティーノ, 23:33
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