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礼を言わない母親と席を譲る男〜ハーレムにて

土曜の夜7時頃、ハーレムのスターバックスで友人とコーヒーを飲んでいたら、テーブルの脇に若い母親と6〜7歳くらいに見える女の子が立った。満席だったから、母親は女の子に立ったままで買ったばかりのクッキーだかパウンドケーキだかを食べなさいと言った。

それを見た私は女の子に席を譲った。女の子は素直に座って大人しく食べ始めた。母親は礼も言わず、立ったままコーヒーを飲み始めた。私も立ったまま友人と話し続けた。ニューヨーク、特にゲトーに住んでいると、これくらいのことではいちいちムっとしなくなる。とても丁寧にサンキューを言う人と、全く礼儀知らずのぞんざいな人間が同居するからだ。

すると私の逆隣りに座っていた男性が私に席を譲ってくれた。「大丈夫」と断ったけれど、「ボクはもう出るから」と言うのでサンキューと言ってイスを引き寄せ、そのまま友人と話し続けた。女の子は同じテーブルの私の隣りでケーキを食べている。

ふと見ると、母親がいなくなっていた。表でタバコを吸っているのがガラスのドア越しに見えた。やがて母親はいったん店内に戻ってきて、娘を連れて出て行った。私への礼は当然無しである。

普通に考えると、母親がとんでもない人間で、私に席を譲った男性が善人に思える。多分そうなのだろう。いや、そうだろうか。

ハーレムにはシングルマザーがとても多い。子どもの4人に1人くらいはシングルマム家庭育ちではないかと思う。これはつまり、子どもを持つ男の圧倒的多数が子どもと同居していないことを示す。別居だけならともかく、養育費を払わない父親も多い。取り立てのために家庭裁判所に通う母親も少なくない。

そんなことも含めてたくさんのストレスを抱え、本来は善人なのに無作法になる母親もいる。一方、自分の責任を果たさず、けれど他人には親切な男たちもいる。

あの2人の私生活は知る由もないし、全くの見当違いかもしれないけれど、帰りの地下鉄でふとそんなことを考えた土曜の夜。




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author:堂本かおる, category:ハーレム, 05:22
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