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黒人はなぜオバマ大統領を支持し続けるのか〜あれから6年。あれから400年。

オバマ大統領支持率 黒人88% 白人34%
(2014/5/5-11)www.gallup.com


数日前、天気のよい日にハーレムのメインストリート125丁目を歩いた。アダム・クレイトン・パウエルJr.ブールバードとの角に広場があり(昔、マルコムXが街頭演説した場所)、そこを『マイ・プレジデント・イズ・ブラック』を聴きながら歩いた。ヤング・ジージーのオリジナル版ではなく、ジェイ・Zのリミックス版だ。


2008年11月4日。オバマ大統領が初当選した日、この広場にはジャンボトロンが設置され、たくさんの人が詰め掛けていた。夜11時に「オバマ当確」の報が出されると、人々は叫び、踊り、ドラムを叩きながら広場を出てストリートを埋め尽くし、交通をも遮断した。私は自宅で夫とテレビの開票速報を見ていた。当確の瞬間、近所の家々から歓喜の叫びが聞こえた。チャンネルをニューヨークのローカルニュース局に変えると125丁目の喧噪が中継されていて、友人カップルがこれ以上はないほどハッピーな顔で写っていた。


『マイ・プレジデント・イズ・ブラック』のオリジナル版は、ヤング・ジージーのアルバム『リセッション』(=不況)に収録されている。2008年9月2日、リーマン・ショックの2週間前にリリースされた作品だ。大統領選は民主党と共和党の候補がそれぞれオバマとジョン・マケインに決まり、1対1の攻防戦となっていた時期。


オリジナル版のリリックではヤング・ジージーとナズが「オレの大統領はブラック、オレのランボ(ルギーニ)はブルー/札束はライト・グリーン、ジョーダンはライト・グレー」と色で遊ぶと同時に「母ちゃんは家にいねぇし、父ちゃんは今もムショだ」「オレたちはブッシュに強奪されたし」と、黒人社会の変わらない窮状を訴えている。そんな中、史上初の黒人大統領の誕生を夢見ながらも「(大統領選に)勝つとも、負けるとも、引き分けるとも言えないが」と不安を見せ、けれど「おまえはすでにホーミー(仲間)だ、オレたちは祝福するよ」と、すでに胸をいっぱいにしているのである。この純情振りに、なんだか涙が出る。


私が聴いていたジェイ・Zのバージョンはオバマの当選後に書かれている。ジェイも「オレの大統領はブラック」だが、ランボルギーニではなく「オレのメイバックも同じ(ブラック)だ」で、ついでに「札束はダーク・グリーン、ポルシェはライト・グレー」と、スニーカーじゃなくて車をたくさん持ってんだよ、とよく分からない自慢が入っている。それはともかく「で、オレはD.C.に向っている」と大統領就任式参列に続く。「オレの大統領はブラックだが、彼の家は真っ白(ホワイトハウス)だ」


この後もリリックはジェイ・Zらしからぬ開けっぴろげな高揚感に満ちている。


「ヘロー、ミス・アメリカ。ヘイ、美人のお嬢さん(どちらももちろん妻のことである)、
赤白青の旗をオレに向って振ってくれよ、ベイビー
オレがこんなことを言うなんて考えたこともなかった」


もう憚るところなしの、愛国心炸裂だ。アメリカの白人と黒人はどちらもアメリカ人であり、どちらも愛国心は強いが、その種類と表し方に大きな違いがある。けれどここでのジェイは、もうそんなことはどうでもいいのである。それくらい嬉しかったのだ。


ジェイ・Zは黒人史にも触れている。ここはさすがに巧い。


「ローザ・パークスは(バスに)座った。だからキング牧師は歩けた(マーチした)
キング牧師が歩いたから、オバマはrun(立候補)できた
バラク・オバマがrun したから、すべての子どもたちが(空を)飛べるんだ
だからオレは翼を広げる。空でオレに逢えるさ」


Jay-Z My President Is Black (D.C.-mix)

常にクールなジェイ・Zまでが、ここまで手放しで有頂天になったあの瞬間から6年。今やオバマの窮状は大変なものだ。そもそもブッシュからリーマン・ショック、イラク戦争を背負わされての就任。本人はイバラの道を覚悟していた。しかし、想像を絶したのは共和党の「何がなんでも黒人大統領潰し」だった。彼らはバラク・オバマを、一人の人間バラク・オバマとすら認識していない。就いてはいけない地位に何故だか就いてしまった“黒人”であり、是が非でも引き摺り下ろさなければならない“黒人”なのだ。


けれどHey, 黒人たちはオバマの登場を400年も我慢強く待ったのだ。たかだか6年ですべてが上手くいくとは思っていない。オバマが蒔いた種は将来必ず花開き、実を結ぶ。


Barack Obama ran so all the children could fly.
バラク・オバマが大統領になったから、すべての子どもが羽ばたけるんだ。





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author:堂本かおる, category:アメリカ文化・社会, 15:41
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